さようなら

 川崎のぼるの「さようなら」と言われても、まったくピンとこない人が大半だろう。

 少年ジャンプの「第3回ジャンプ愛読者賞」の掲載作品。川崎のぼるさんの描く主人公はほとんど同じ顔をしているが(いなかっぺ大将でさえ、最初そうだった)、この「さようなら」だけは、違う顔だったのが印象深い。

 以前、東京の古本屋で、けっこうなお金をはらってこの「さようなら」が掲載された昔のジャンプを手に入れた。ダンボールに入れてお縁に置いといたら、実家を貸していたおじたちに勝手に捨てられてしまった。

 で、内容は、太平洋戦争中に、ある玉砕した島での少年(16歳くらいだった)の話。とても心に残ったのだが、愛読者賞では、10作品中7位だったらしい。今でも読むすべはあるのかなあ。川崎のぼるというと忘れられない作品。

 数年前「散るぞ悲しき」を読んだとき(この本もよかったので、後日書きます)、この川崎のぼるさんの「さようなら」を思い出した。
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