コンピュータVSプロ棋士 名人に勝つ日はいつか [将棋]

岡嶋裕史 PHP新書

名人に勝つ日は「来る」か
ではなく
名人に勝つ日は「いつ」か
という副題をつけている時点で、著者の考えは推測されることでしょう。
そして、これは著者だけの考えではなく、ある程度実情を知っているほとんどの人が考えることではないかと思われます。

第7章の名人に勝つ日、という中で、若い頃の羽生名人が、その日を2015年と予想した話題が載っています。
インターネットで清水さんが負けたことを知ったときには、(たぶん、多くの人が持ったであろうと思う)ショックを私も持ちました。その時のことは、このブログでも書いたように記憶しています。

つい、あっという間に読み終わってしまいました。おもしろい。つたない表現ですが、私にとっておもしろくてたまらない本でした。

第6章の「清水市代女流王将VS「あから」」を読み始める前に、そのおもしろさを書こうと思ったのですが、ついそこで間をとる余裕がなく、読み続けてしまいました。
そして、この第6章こそ、圧巻でした。

私は清水さんのきりっとしたたたずまいが好きで(テレビでしか知らないのですが)、また雑誌や本で読む考え方などにも好意をもっており、人間が負けた以上のがっくりとした感覚をもったこともあるかもしれません。
あ、いや、違うかなあ。人間的にも尊敬できそうだと(勝手に)思っていた人が、機械なんか(ソフトやコンピュータそのものをつくっておられる方々申し訳ありません)に負けてしまった、という敗北感なのかもしれません。

間にコンピュータのログや藤井さん、佐藤さん、米長さんのコメントなどをはさみながら、手の解説をしてくれています。欲をいえば、棋譜も載せていただいたらもっとありがたいな、と思いつつ(まあ、インターネットで、すぐ手に入るからな)実に迫力ある第6章でした。

いやー。おもしろかった。

人間とコンピュータの合議制による将棋の神様の手の追究の話など、思わず心わくわくする話題も載っていました。
また、清水さんの「コンピュータとさしてもなんの感情も生まれないのでは、と考えていたがそれは間違いだった」一手一手に開発者の想いが込められていて、自分も熱くなれた、という記者会見の話は、おもわず目頭が熱くなるほどでした。

将棋に興味がある人、コンピュータにも少し興味がある人にとっては、読まない手はない、ほんとにおもしろい本です。(友だちの少ない岡嶋さんの(ほどよい)ユーモアの感覚もふくめて・・・)
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