ガロア理論の頂を踏む [数学]

石井俊全著

「一歩一歩を積み重ねれば必ずピークに辿り着きます」
という触れ込みで
5次方程式が根号で解けないことを証明することを目標とする本。

何より、無駄なガロアの伝記などは一切端折って、しかも最後まできちんとした証明を残す、という方針はとても好感がもてる。
2色刷で、まるで高校の参考書のような体裁も気に入った。

読んでみると、わかりやすいのかそうでないのかよくわからない。
今、中国剰余定理のところを読んでいるのだが、(見かけにだまされてきちんと読んでいないせいなのか)なんかわかりにくい。
著者も認めているとおり、この本の元ネタは草場公邦さんの「ガロワと方程式」のようだ。
草場先生の本の方を一生懸命読んだせいなのかもしれないが、なぜかあちらの方がわかりやすい気がしてしまった。

ガロア理論の本には、何度も挑戦して、そのたびに途中で挫折したり、わからないままページだけ読み終えることのくり返し。
はたして、この本は真の喜びを私にもたらしてくれるのだろうか。

「ガロアの群論」(中村亨)
「ガロワ理論最短コース」(梶原健)
「解いてわかるガロア理論」(藤田岳彦)
「数学ガールガロア理論」(結城浩)
「13歳の娘に語るガロアの理論」(金重明)
「天才ガロアの発想力」(小島寛之)
などなど。生誕200年を機にずいぶんいろんなガロア本が出版された。
なのに、どの一冊とて満足に読み込めていない。
やはり草場先生の本をもう一度読み直すのが一番いいのかなあ、と思うこの頃。


追記
最初、この文章の中で索引がないと書いていましたが、間違いでした。申し訳ありません。

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コメント 4

NO NAME

はじめまして

ぼくも「ガロア理論の頂を踏む」を買って読みました。
「ガロワと方程式」を読んでもわからなかったところが、丁寧に書いてあって感動しました。
共感したくて検索していました。
「ガロア理論の頂を踏む」を読んでもわからなければ、
いまのところガロア理論を理解することはあきらめた方がよいと思います。

以下のようなツイッターも見つけました。

Yuta Kashino@yutakashino  8月21日

「ガロア理論の頂を踏む」http://www.amazon.co.jp/dp/4860643631 |
この入門書は素晴らしすぎる。今までに5冊以上、ガロア理論の入門書を眺めてきたけれど、
この年になって生まれて初めてガロア対応の証明が理解できた気がする。ビックリして感動した。
生きてて良かった。

ここまでの感想をもたらす本なのに、なぜmさんが中国剰余定理で突っかかってしまうのか不思議に思いました。
ぼくの持っている本にはp502とp503ページに索引があります。
mさんの本にはないようですから、mさんの持っている本は落丁本だと考えられます。
出版社に取り替えてもらった方がよいと思います。
落丁本でなければ、1章で突っかかることはないでしょう。
この本の感動を分かち合いたいと思います。
がんばってください。
by NO NAME (2013-09-07 16:22) 

m

コメントありがとうございます。
時間を見つけて、読み直します。
がんばります。

by m (2013-09-12 19:42) 

老婆心ながら

突然の書き込み失礼します。
書き写しは、1ページから始めるとほとんど続きません。

私のおすすめですが、
1.全体の流れをつかむ(読むだけでよい)
2.重要と思われる箇所(命題など)やポイントを絞り込むーーー絵などを描きながら
3.2.の部分のうち、最重要部分を書き写す(いわゆる写経)
4.3.の部分を見ずに再現して(書いて)みる
5.全体を短くまとめてみる(いわゆる要約)
これでガロア理論、ルベーグ積分、多様体、などなどを独学で勉強していけると思います。

最終的には自分にあったやり方を見つけて下さい。
by 老婆心ながら (2013-11-09 09:05) 

m

老婆心ながらさん。ありがとうございます。
なかなか仕事にかまけて、読み進めていません。
まず「読むだけ」でいいと言われると気が楽になりました。
by m (2013-11-09 22:38) 

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