フェルマーの最終定理 [数学]

人生に影響を与えた本というのがある。

私にとって、この「フェルマーの最終定理」はまちがいなくそのうちの一冊。

子どもの頃、あるいは大人になる過程での「影響を受けた本」は誰にでもあるだろう。
しかし、ある程度の年齢になると、それはかなり限られたものになる。
ひとつには、感受性が鈍くなってしまっていること。
ひとつには、その人なりの人生観ができてしまい、
新しいことに眼を向ける「必要性」もさほど感じなくなってしまっていること。

しかし、その「鈍くなった感受性を、もう一度揺り動かすようなすばらしい本」と言うのは実際に存在する。
そして、その貴重な本のうちの一冊がこの「フェルマーの最終定理」である。

学生の時に数学を勉強したことがある。
解析、その中でも主に関数論を勉強する「はず」であった。
が、位相や多様体の初歩の勉強をしているうちに、関数論にいく前の段階で時間切れ。
代数に興味をもったこともある。
自分で興味をもって群論を少し読んだ。
しかし、これもガロア群あたりで挫折。

桃を食べようと思って皮をむいていたら、
一番おいしそうなところを食べる前に休み時間が終わってしまった。
あるいは、うまくむけずに落っことしてしまって、食べることができなかった。
ちょうどそんな感じかもしれない。

「もう、桃を食べる機会は一生ないだろう」と思っていた。
ところが、たまたまある桃の缶詰を食べる機会を得た。
期待せずに食べてみたらけっこうおいしい。
いや。「か な り」おいしい。

「よし、もう一度、桃を食べることに挑戦してみよう!!」
人を図らずもそう思わせてしまうくらいとてもおいしい缶詰(「フェルマーの最終定理」)だった。

名著。サイモン・シンさんに感謝。
名訳。青木薫さんに感謝。

食べてよかった。
私の人生を豊かにしてくれた本である。
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