ベートーベンの交響曲 [音楽]

金聖響 玉木正之

ベートーベンの交響曲の解説本。
金さんは指揮者。玉木さんは音楽評論家。音楽は詳しくないので、お二人がどんな方かはまったく知りません。
ただ、金さんはベートーベンが大好きだということは文章から伝わりました。
私は田園、7番、9番が好きなのですが、この時期はやっぱり9番か、ということで9番だけ再度読み直しました。
不思議なもので、師走も押し詰まると、この9番を聞きたくなります。
けっこう、カップヌードルの宣伝のおかげかなあ、などと思うこともあるのですが、まあ、小さい頃からこの曲だけはよく聞いていました。

金さんはとにかく「楽譜」を何度も読み直し、楽譜からベートーベンの気持ちを読み取ろうすることに徹したようです。
フルトヴェングラーやバーンスタインと言われても私にはちっともわかりませんが、彼らの指揮する第九とはずいぶん違う印象の演奏をされると書いてあります。
楽譜の一部などをまじえて、一生懸命解説をされようとしています。疎い私には、その情熱のみしかわからなかったのが残念です。

さて、9番と関係ないところで、印象に残ったところを。
聴力を失い始めた31歳の時の遺書の話です。実は、この遺書を書いてから以降、「大傑作を次々と生み出す大豊作期に入る」のです。
なぜ遺書の後にこのような時期に入ったのか、という理由は想像でしかなく、しかも簡単にしか載っていません。
しかし、ベートーベンがまだ若いうちに音がだんだんと聞こえなくなってくる恐怖感は、なんとなく想像してしまいました。陸上選手が足を故障して歩けないようになったり、テニスの選手が利き腕が動かなくなり箸も持てないような状況になるようなものです。目が見えずに絵が描けますか、という話です。
とても怖かったろうなあと想像してしまいました。

このようなことを知ってしまうと、単に9番を聞くにあたっても、この曲を作ったベートーベンのことを思わずにはいられません。音だけでなく知識がもたらす感動もあるのだと再認識させられます。

そういえば、1番、2番、4番、8番は一度も聞いたことがありません。ベートーベンの全交響曲のCDは以前買っていたので、探して聴いてみることにしますか。
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