放射能で首都圏消滅 [物理]

今から5年前の4月26日に発行されている原発震災に関する本。
著者の小長谷稔さんは1971年生まれだそうなので現在40歳か。(書いた時点で35歳?)

衆議院議員の秘書時代に浜岡原発の実情と原発震災の危機を知ったことで、浜岡原発の真実を広く伝えるために秘書をやめた、とあったので、反原発の人と考えて間違いない。

その立場を意識しながら読むことが必要だとは思うが、ここに書かれていることが、ことごとく、福島第一原発の事故を予言しているような内容なので、驚きも大きい。

内容は見開き2ページで絵や写真も多く、大変読みやすい本。
項目としては
ーーーーーーーーーーーーーー
・東海地震が原発震災にかわるとき
・首都圏に放射能が届くまで、たったの6時間?
・191万人が死亡するかもしれない大災害
・食べられるものがなくなってしまった!
ーーーーーーーーーーーーーー
などのセンセーショナルな(しかし、福島第一原発事故が進行中の現在、とても真実味をもつ)内容の項目や
ーーーーーーーーーーーーーー
・逃げるのか閉じこもるのか
・浜岡から煙が出ていないか、テレビで要チェック
・放射能から身を守る方法
・逃げようと思う人への注意事項
ーーーーーーーーーーーーーー
などの実際に起こった場合の対策編
ーーーーーーーーーーーーーー
・地震が起きてから止めたって、もう間に合わない!
・地震で同時複数の事故が起きれば、もう終わり
・哀しくもオソマツな津波対策
・奇怪!原発の配管はパイプのお化け
・パラグライダーと砲丸で日本が壊れる!?
ーーーーーーーーーーーーーー
などの項目がある。
書いてあることのうち、すでに起こったことについては、ことごとく当たっているので、まだ起きていない悲観的なことも、起きてしまうのではないかとつい思ってしまう内容。
浜岡原発を福島第一原発に変えれば、まったくそのまんまのことが起こっている。

逆に言えば、これだけ、充分予想できた事故であるからには、対策をきちんととっておきさえしていれば、少なくとも今より、被害は格段に少なかったはず。

以下この本から少し抜書き
=================
そのとき、電車が全部止まってしまえば、家には帰れませんし、家族がどこにいるのか正確に知るまでには、かなりの時間がかかるはずです。

地震の後、原発で事故が起こっても、政府や行政、電力会社から放射能に関しての正しい情報はすぐには出ない、と考えておくのがいいでしょう。

「運転停止」と「冷却完了」は別のものです。「原子炉を停止しました」と聞くと、ふつう私たちは胸をなでおろします。しかし、これで危機が去ったわけではありません。「運転停止」のあとには、「冷却完了」が必要です。冷却が完了しなければ、メルトダウンの危機はなくなりません。

まずは、ヘリコプターから撮った浜岡原発のテレビ映像に注目しましょう。ヘリコプターからの映像を情報操作するのは難しいからです。東海地震には高い関心が内外から寄せられていますので、多くのヘリコプターが地震発生後まもなく被災地の上空を飛びまわると考えれれます。そのうちのいくつかは浜岡に向かうでしょう。浜岡原発の施設からきのこ雲やもくもくとした水蒸気があがったり、煙が継続して出ていれば、大事故が起こっていると考えてください。マスコミの解説では、煙が上がっていても原発事故とは言わないかもしれませんが、それを鵜呑みにしたら命が危なくなります。

地震直後ではなく、時間差で原発が爆発することも考えられるので、ひきつづき注意深く見守ることが必要です。

浜岡原発が大事故を起こすと、静岡から北海道までの農地はすべて、程度の差こそあれ、放射能で汚染されます。静岡産のお茶やわさびはもちろん、被ばくした土地で作られるあらゆる農産物が汚染されます。周辺の海産物も食べられません。

そんな浜岡原発で、より危険な放射能を使用するプルサーマルが導入されようとしています。

地震で配管が破断して冷却水の喪失が始まると、別系統で水を供給する非常用炉心冷却装置(ECSS)が働く仕組みになっていますが、ECCSは耐震基準が低いので、地震で壊れる恐れがあるのです。

あちこちで事故が続出した原発を、さらにその直後、強烈な余震が襲ったり、津波が襲ったりするのです。事故の処理をしながら、放射能まみれの原子炉の周りで余震を恐れながら復旧作業する、作業員の気持ちになってみてください。まともな作業などできるはずがありません。究極の複数同時事故は、メルトダウンの連鎖です。原子炉1機がメルトダウンしたとき、すぐ隣の100mも離れていない原発で復旧作業を続けるのは作業員にとって自殺行為です。作業員に避難命令が出て、人がいられなくなり、応急処置ができなければ、軽症の患者が出血多量で命を落とすように、原発も次々とメルトダウンしていく可能性があります。

東海地震で予想されている津波の高さは、浜岡原発の荷揚げもするすぐ近くの御前崎港で8.1mです。これは、2005年11月に海上保安庁により発表されました。それに対して、中部電力が予想している津波の高さは6.0mです。「海と原発の間には10mの高さの砂丘があるから大丈夫」というのです。ところが津波は、海面の高さが一段高くなって押し寄せてきます。多少の砂丘など簡単に乗り越える可能性があります。しかも、想定される8.1mは、対策している6mを2mも超えています。これで安全と言うのは、楽観主義にもほどがあります。
=================

新聞やニュースなどを見ていると、原発に関する話題も、少しずつではあるが少なくなってきており、なんとなく沈静化しているような気がするのだが、まだまだ安心どころではなさそうなことがよくわかる。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ベクレルとシーベルト重力ピエロ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。