算数と数学のあいだに [数学]

正田良著
三恵社

なにやら、手作り感いっぱいの本書。
「算数のウラ話や数学のムダ話を集めたものです」とある。

「ガロワと方程式」の連分数でひっかかってしまって、そもそもの連分数の意味(?)のようなところがわからないまま困っていた。
と、この本にとてもわかりやすい解説が。

単位分数分解から平方根の連分数展開まで簡単にわかりやすく載っていた。(p.56~p.63,p.70~p.71)

今まで、めんどくさそうで、さけていたことが、こんなに簡単なことだったのかと納得。

初等整数論 [数学]

遠山啓

数学教育で有名な遠山先生だが、著作はとてもわかりやすいものが多い。
「数学入門」にしても「無限と連続」にしても名著だと思う。

この「初等整数論」もゆっくりとわかりやすく書いてある。

内容としては
第1章 整数の基本的性質
第2章 約数と倍数
第3章 いろいろの関数
第4章 合同式
第5章 群、環、体
第6章 連分数

草場先生の「ガロワと方程式」を読みながら、原始根についてよくわからなかったので、第5章を参考にした。

群と代数方程式 [数学]

アーベル ガロア 著
守屋美賀雄 訳・解説
共立出版

読めもしないのに、また買ってしまった。
ただ、元の論文(の訳だが・・・)をもっているということは、「いつか、きちんとこの論文を読みたい」という動機づけになるような気がする。

さて、この本の内容は

アーベルの「4次より高い次数の代数方程式を一般的には解くことが不可能であることの証明」
ガロアの「累乗根で方程式が解けることの条件について」

アーベルの論文が24ページ分
ガロアの論文が17ページ分
その後、解説が129ページ分
論文は基本的にそのままを載せているので、「証明が必要と思われる事実であっても、原文に証明がなければ訳文もそのままにし、解説の中で証明を与えた」とある。


関係のない話になるが、この土曜日、上野健爾先生による「ガロアが考えたこと ~生誕200年を記念して~」という話を聞きに行った。わずか1時間50分の予定だったので、多くは期待していなかったが、先日の数学文化015に載っていた内容を、わかりやすくポイントをしぼって話をしてくださるものと期待した。
しかし、実際にはわずか1時間ほどで終わり、残りの30分ほどは雑談。20分以上前に終わり、数学的な内容はほんの少しだった。
私のように、(時間的、経済的に)多少無理して行った者には、肩透かしのような内容だった。(もっとも、まともに数学の話をされてもちんぷんかんぷんだったろうが)
少なくとも、お金をとって、会を開くからには、ある程度は期待にこたえるような話であってほしい。参加された先生方も、ほぼ手弁当のような形で参加されているのであろうから、多くは言えないのだが・・・。
その中で、ガロアの理論においてのラグランジュやデデキントの役割の重要性の話(会話?)はおもしろかった。


最後にこのシリーズ(現代数学の系譜)の他の巻の紹介を少し。

 1.コーシー 「微分積分学要論」
 2.ペアノ 「数の概念について」
 3.ルベーグ 「積分・長さおよび面積」
 4.ヒルベルト 「数学のも問題」
 5.ディリクレ デデキント 「整数論講義」
 6.ポアンカレ 「常微分方程式」
 7.ヒルベルト クライン 「幾何学の基礎」 「エルランゲン・プログラム」
 8.カントール 「超限集合論」
 9.バーンサイド 「有限群論」
10.リーマン リッチ レビチビタ アインシュタイン マイヤー 「リーマン幾何とその応用」
11.アーベル ガロア 「群と代数方程式」
   ブール 「思考の法則」
   デデキント ワイル 「連続と無理数」
   ラプラス 「確率論」
   リスティング ポアンカレ 「トポロジー」
   コーシー ワイヤシュトラス リーマン ワイル 「複素函数論の形成」
   フレシュ 「抽象空間」
   アダマール 「偏微分方程式」

となっている。

ガロワと方程式 [数学]

ミノ~+さんのブログに草場先生の「ガロワと方程式」を読んでいるという話があった。

私がこのブログを始めたのはミノ~+さんの影響だが、もう一度影響を受けてみようかと思い始めた。
(少なくとも、今、この瞬間)この「ガロワと方程式」(草場公邦)を読んでみようかという気になっているのだ。

何を今更という気がないでもない。
学生の頃読んだ石田信先生の「代数学入門」を見返してみると準同型定理までは、いろいろ書き込みもしているが、その後の(ミノ~+さんが触れていた)(まさに!)シロー部分群のところからきれいなまま。
学生の頃でさえ、そうなのだから、今更、数学の本を読めるだけの能力が自分に残っているだろうか・・・

差分 [数学]

佐藤雅彦 菅俊一  石川将也

2つ(以上)の絵を提示し、その間を脳で補完させるという「差分」。
佐藤さんはピタゴラスイッチの監修をしている人。
ちょっと高いがとてもおもしろい。

一番のお気に入りは、ジャングルジムを通り抜ける人。
いや、実際、通り抜けてるようにしか見えない。

見てすぐわかるのもあるが、
解説を読んで納得するものも。

類書はないという話だが、これは買って損はない。
カテゴリーについ、数学と入れてしまったが、まあ数学ではないよな・・・
まあいいか。


エレガントな解答をもとむselections [数学]

数学セミナー編集部編

ご存知、数学セミナーの人気コーナー「エレガントな解答をもとむ」の1988年6月号から1999年12月号までの問題から選んだ45問。
内訳はパズル・論理12問。幾何17問。代数・解析10問。組合せ論6問。

問題編として最初にこの45問を提示し、その後のページで1問あたり数ページを使って、正解だけでなく、いろいろな解答を紹介している。

すべて解いたわけではないが、一番、目に留まった問題は第1問(第1問だから目に留まったというだけではない・・・)。

まず、この問題の紹介から。

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平面上に23個の点を「なるべくエレガントに」配置してください。配置がどうエレガントであるか、23という数の「個性」をどう生かしたかなどについて簡単な説明もお願いします。
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問題はこの後に点が10個の場合を取り上げ、ボーリングのピンの配置と(一般的にいう)星型の配置を2通りを例としてあげています。なお、この2つの図の紹介の後、「もっとも、左側のほうがよりエレガントだといえるでしょうが・・・」という一言を付け加えています。

最初見たときに、なんか数学的な問題じゃないなあ、と感じたのですが、解答を読むうちに「これはなかなかいい問題では」と思ってきました。まず、何をもって「エレガント」というのか、というところにそれぞれの個性が出ていたようです。

私自身は最初1列に23個の点を並べるのが一番エレガントではないか、と考えたのですが、これは、問題文の中の「「個性」をどう生かしたか」という表現によって除かれます。同様に、円周上に配置した23点も排除されます。

点の配置のエレガントさを定義しようとした人もいたようで、中でも定量化まで踏み込んだ解答もあったそうです。
この問題の元は、ルディー・ラッカー氏の「思考の道具箱」(工作舎)で、1個から100個までの点のきれいな配置をシラミつぶしに考えたときに「いくら考えても、いい配置が思いつかなかった最小の数」と書かれていたものからきているようです。


その他、図を使わず比較的短い問題を数問紹介しておきます。

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太郎君がこう言いました。「太陽から地球に光が届くには8分ほどかかる。地平線に太陽が沈んだと見えるときには実際の太陽の位置は8分ほど進んだ地平線の下のほうにあるんだ。」次郎君は「へー、なるほど」と言ってちょっと考えてしまいましたが、「本当にそうなのかなあ」と少し疑問があるようです。太郎君が正しいのか次郎君が正しいのか、読者の明快でエレガントな説明を求めます。
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3辺の長さが整数で、面積も整数になる三角形のうちで、面積が最小となるものを求めてください。
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10と互いに素なすべての自然数は11・・・・1のように、1を並べた倍数を必ず持つことを示してください。
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立方体の6面を絵の具で塗り分けます。使える色は6色までで、すべて違う色でも2色か3色だけを使っても、まったく自由です。違う塗り方は全部で何通りありますか。
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最後に、著者の紹介
秋山仁・天羽雅昭・有澤誠・安藤哲哉・岩井齊良・植野義明・大島邦夫・大槻知忠・小島寛之・清宮俊雄・竹内郁雄・戸川美郎・徳重典英・外山芳人・永田雅宣・中谷実伸・中野伸・中村義作・中村滋・根上生也・一松信・矢野環・山田修司

Googleロゴ フェルマーの最終定理 [数学]

今日(8/17)Googleのロゴがフェルマーの定理になっている。
理由は8月17日がピエールドフェルマの誕生日と言われているかららしい。
ちなみに誕生年は1601年。
誕生日には8月20日という説もあるらしい。


http://news.livedoor.com/article/detail/5790507/
に同様のことが書かれている。

Googleのロゴにフェルマーの定理が書かれているだけなのに、なぜかうれしい。

13歳の娘に語るガロアの数学 [数学]

金重明

偶然にも13歳という年齢は、小島寛之さんの「天才ガロアの発想力」の13歳の自分に向けて書いた、という年齢に一致している。
どちらも、数学の専門書でもなく、数学的内容の無い啓蒙書でもない、その中間をねらったものである。

第0章 ガロアを娘に教えてみる

では、アルティンの「ガロア理論入門」を手にしたが、まったく理解できず、それ以来、何冊かの本に挑戦したが、わからなかった。しかし、40代になって、韓国語の「代数学」でガロア理論の基礎が理解でき、そのすばらしさを人に伝えたいという思いからこれを書いたという話。


第1章 1次方程式と2次方程式

では、数学を習い始めた娘のために、2次方程式を解くまでの解説だが、この本を手にした人にはたして必要だったのか。この本を本当の中学生が手に取ることはまずないのではないか。かつての著者のように、ガロア理論に憧れつつ、それを理解できない人が手に取る本ではないかと思ったので、この章は不要では。


第2章 3次方程式,4次方程式

では、「数Ⅲ方式ガロアの理論」のように、丁寧にしつこく方程式の解き方を追っているが、これも自分にとっては不要だった。


第3章 ラグランジュ・群・体

では、対称群を中心として正規部分群について、サムロイドの16パズルやルービックキューブを話題にわかりやすく書いてある。また、拡大体の話題まで入っている。自分にとっては、この章が一番ためになった(あっていた)。ラグランジュについても、もう少し知りたいと思った。


第4章 ガロア

この本の中心部なのだろうが、寝転がって読んでしまった私には、わかったような気はしたが、たぶんほんとうにはわかっていない。当たり前だが、数学の本はノートと鉛筆を元に読むべきだ。というわけで、自分にとって、本当の意味でこの本の評価はできない。

とはいえ、私にとっては、数Ⅲ方式や天才ガロアの発想力に並ぶ、貴重なガロア本となった。

欲を言えば、必要の無いところを極力取り除いて、しかし、理論に関してはきちんと省略していない本はないものか。もちろん、数学の専門書を読めばよいことはわかっているのだが・・・

問題を作る! 高校数学 [数学]

野依良治さんの「科学では、問題を解くことよりも、作ることの方が、はるかに重要である」という言葉だけを頼りに作ったであろう、とんでもない問題集。


単位円で解く、三角関数の問題を作り、解け
共有点と実解条件に関する、三角関数の問題を作り、解け
三角形の外心と垂心に関する問題を作り、解け
指数関数と不等式に関する問題を作り、解け
自然数p.q.rに関して、整数の問題を作り、解け

といった調子で1ページに2問。計118問を載せてあるだけの本。
これで1000円というのは、絶対暴利だと思う。
まあ、ひどい本。

数学少女(3) [数学]

安田まさえ


わかった!
双場さん、だ!
と思ったけど、違いそう・・・

どうも、船場さんらしい・・・

表紙で、「Mathematical Girls」が√の中に入っている。
どういう意味なのだろう?とつい考えてしまった・・・・

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