八甲田山 死の彷徨 [山]

新田次郎

時々、思い返したように読み返す新田次郎。
八甲田山は、映画化された時期に読んで以来。

実は、同じ新潮文庫の「強力伝」にある短編の「八甲田山」が好きだったのだが、
長編はこんな感じだったのか、と改めて思った。

一時期、山にのめりこんでいたので、かたっぱしから新田次郎の本は読んだが、
その頃読んだこの長編の方の八甲田山はあまり印象に残っていない。
今回読み直して、やはり、印象はうすい話だった。
なんというか、救いがないというのか、気持ちが入りこめる(好きになれる)登場人物がいない。

映画で高倉健がやった役は何だったのかと思い直して、配役を確認してみたら、
やはり徳島大尉が健さんの役だったらしい。
読みながら腹ばかりたつ内容で、
やっぱり199人もの人間を殺した責任は重いと感じた。

短編の方をもう一度読み直してみたいものだ。

知的生産の技術 [山]

 梅棹忠夫さんが亡くなった。90歳というので、もうそんな年だったのかと思う。と、考えてみれば、知的生産の技術を書いた時にはすでに50歳に近かったんだなあ。

 高校の修学旅行で国立民族博物館に行ったことがある。当時は最新鋭の博物館だったのだが、あまり興味がなかったため、あっと言う間に見終わった気がする。

 例にたがわず、京大カードを大量購入して使ったこともある。

 しかし、この「知的生産の技術」の肝は、ダヴィンチの手帳の話だろう。他の技術的なことはさすがに40年以上もたつと、古さを感じる部分もでてくるが、この最初の章にかぎっては、「知的好奇心」が人間にある限り古くなることはないと思われる。

 何度となく読み返し、ある事情があり大量買いをしたこともある。

 現在のハウツーものの元祖といってもよいかもしれないが、元祖であるが故のしっかりしたものを持っている名著。

 梅棹先生のご冥福を祈りたい。

 
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