生きる [映画]

黒澤明監督作品。

印象に残ったシーン2つ。

①志村喬が、最初にゴンドラの唄を歌うところ。

志村喬の顔がクローズアップで、どんぐり目に大つぶの涙がたまっていくシーン。
「命短し、恋せよ乙女」
最後のブランコのシーンが有名だが、あのダンスをしている男女がしらけた感じでダンスをやめていく中、
一人、ゴンドラの唄を歌う志村喬の表情には、ついこちらまで涙がたまってしまいます。

②葬式で、みんなが助役のごきげんうかがいの話をしている所へ、公園近くのおばさんたちが押しかけるシーン。

みんな、何にも言わず、ただ、おまいりだけして、去っていってしまうのだが、
心に響くものがある。

先日見た、「踊る大捜査線 やつらを解放せよ」で、恩田すみれさんが
死を覚悟していた青島係長に

「どうせ死ぬんでしょ」

と叫ぶシーンがあるが、
あれは、誤解して青島が死ぬと思って言っていただけでなく、
例え、不治の病ではなくとも、生きているすべての人たちに(つまり、青島にも、あの映画を見ていた私たち観客にも)言いたかった言葉なのではないかと感じた。

先日のコメントでは「天国へ行けなかったパパ」のパクリという書き方をしたが、
考えてみると、監督(や脚本家)は
黒澤監督の、この「生きる」を意識していたのではないか、と勝手に思ったりした。

葬儀のシーンが長いといえば長い。
しかし、改めて、名作と言うのはやっぱりすごいなあと実感。
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